発注点とは?
発注点とは、補充を手配するタイミングを判断するための在庫水準です。発注してから使える状態で届くまでの需要を見込み、変動に備える安全在庫を加えて設定するのが基本です。「いつ発注するか」の基準であり、「何個発注するか」を表す発注量とは別です。

発注点の基本的な計算式
発注点=調達期間中の予想需要+安全在庫
日々の需要が大きく変わらない単純な例では、調達期間中の予想需要を「1日平均使用量×調達日数」で求めます。季節性や予定された大口注文がある場合は、その期間の予測を用います。
調達期間には、発注処理、仕入先の準備、輸送、検品など、在庫を実際に使えるまでの時間を含めます。営業日と暦日を混ぜないよう、需要データと日数の単位をそろえてください。
出典:Oracle NetSuite:Inventory Optimization Calculations(2026年10月23日確認)
計算例:1日20個、入荷まで5日の場合
以下は説明用の仮定です。1日平均使用量20個、調達期間5日、安全在庫30個なら、20×5+30=130個が発注点です。
| 項目 | 値 | 役割 |
|---|---|---|
| 調達期間中の需要 | 100個 | 20個×5日 |
| 安全在庫 | 30個 | 予定より多い需要や遅れへの備え |
| 発注点 | 130個 | 補充判断の基準 |
| 発注量 | 別途設定 | 発注単位・保管容量・費用などで決める |
需要が毎日20個で納期どおりなら、発注から5日後には100個を消費し、入荷直前の手持在庫は30個になる計算です。ただし、入荷予定や引当がない単純化した例であり、この30個があれば必ず欠品しないという意味ではありません。
手持在庫だけを見て重複発注しない
実務では、すでに注文した未入荷分や未充足の需要も確認します。在庫ポジションを使う方式では、一般に「手持在庫+発注残-未充足の需要」を基に判断します。システムが使う「有効在庫」「引当可能数」などの定義は同じとは限りません。
例えば手持100個、未入荷の発注残80個、未充足の需要20個なら、単純化した在庫ポジションは160個です。手持だけを130個と比べると追加発注してしまいますが、入荷時期や引当を確認する必要があります。間に合わない入荷を無条件に加えることも避けます。
需要を予測や出庫計画ですでに差し引いている場合、引当をさらに引くと二重控除になります。どの数量を基準にするか、通知後の発注済み状態をどう管理するかを運用手順に明記してください。

定量発注と定期発注の違い
定量発注は、発注点に達したときに所定量を補充する方式です。定期発注は、決まった日に確認して必要量を注文します。週1回しか見直さない場合、次の見直しまでの需要も考慮するため、連続的に監視する前提の発注点だけをそのまま使うことはできません。
出典:Microsoft Learn:Handling reordering policies(2026年10月23日確認)
見直すタイミングと注意点
- 繁忙期、販促、大口受注で需要が変わったとき。
- 仕入先・輸送経路・検品手順が変わったとき。
- 入荷遅延や欠品が続くとき。
- 最低発注量・ケース単位・使用期限が制約になるとき。
販売数は、欠品中に売れなかった需要を含まない場合があります。過去の出荷数だけで予測すると、需要を小さく見積もるおそれがあります。安全在庫の考え方と合わせ、予測の誤差と納期実績を確認します。
在庫データを発注判断につなげる
販売・購買・在庫をまとめる場合はキャムマックスなどのERP、在庫記録を中心に整える場合は専用の在庫管理システムも候補です。在庫管理に使える10製品の比較で範囲を確認し、発注点の設定・通知・発注残の扱いが標準機能か追加機能かを個別に確認してください。
まとめ
発注点は、入荷までの需要と安全在庫を基に決める補充の基準です。発注量と区別し、発注残・引当・入荷予定日を含めた運用を決めましょう。計算値を固定せず、需要と調達期間の変化に合わせて見直すことが重要です。







