在庫廃棄とは?

在庫廃棄とは、販売や使用を続けられない商品・材料などを処分し、実物と在庫記録の両方から除く業務です。破損、品質の劣化、使用期限切れなどが生じたときに行います。単に在庫数を減らす操作ではなく、判断、承認、処分、記録を対応付けることが大切です。

在庫廃棄とは?

まだ判断していないものは、出荷可能な在庫と分けて保管します。廃棄予定というだけで現物がなくなるわけではありません。隔離中、承認済み、引渡し済みなどの状態を区別し、保管場所と数量を追えるようにします。

在庫廃棄・評価損・棚卸差異の違い

項目起きていること確認すること
在庫廃棄現物を処分する対象、数量、理由、処分の事実
評価損在庫の帳簿価額を見直す評価の根拠、会計と税務の取扱い
棚卸差異実物と記録の数量が合わない数え間違い、未記録、紛失などの原因

倉庫に残っている商品を評価したことと、商品を実際に捨てたことは同じではありません。また、数量が合わない理由を調べずに廃棄として処理すると、入出庫の記録漏れを見逃します。棚卸の手順に沿って現物を確認し、差異の原因と廃棄の理由を分けて残しましょう。

在庫を廃棄するか判断する基準

品質や安全性、販売条件、契約上の制約を先に確認します。期限切れや破損があるものを、在庫を減らすためだけに販売へ戻してはいけません。品質担当や責任者が判断すべき対象と、現場で判断できる対象を決めます。

販売・使用が可能な滞留品は、返品、拠点間移動、適切な値下げ、再利用なども検討対象です。ただし、返品条件や再利用の可否を確認しないまま移動させると、問題を別の場所へ移すだけになります。判断期限と担当を付け、保留品を放置しないようにします。

在庫廃棄の手順

  1. 対象商品を特定し、通常在庫から隔離する。
  2. 商品コード、ロット、数量、状態、理由を記録する。
  3. 販売・返品・再利用の可否を確認し、廃棄を承認する。
  4. 適切な処理方法と委託先を確認する。
  5. 実物の引渡しや処分を確認する。
  6. 在庫記録と経理への報告を照合する。

対象の選定者と承認者を分けると、誤った商品を処分するリスクを減らせます。引渡し時は、申請した数量と実際の数量、品目を確認し、差があれば理由を残します。処分予定日と実施日がずれた場合も、予定だけで完了扱いにしないことが重要です。

出庫記録には廃棄という理由を付け、販売出庫と区別します。販売実績に混ぜると需要を誤認し、追加発注につながる可能性があります。入出庫管理の記録と廃棄申請を同じ管理番号で対応付けておくと、後から追いやすくなります。

在庫廃棄の記録に残したい項目

実務上の確認資料として、管理番号、商品コード・名称、ロット、数量と単位、保管場所、廃棄理由、確認日、承認者、実施日、委託先などを整理します。状態が分かる写真、引渡しの記録、処理に関する書類も関連付けます。これらは業務を説明するための例であり、すべての取引に同じ書類が法定されているという意味ではありません。

箱と個数が混在する商品では単位を必ず記録します。「10」とだけ残しても、10箱なのか10個なのか分かりません。数量の訂正があった場合は、修正前後と理由を残し、承認済みの内容との違いを確認します。

在庫廃棄の会計・税務で混同しやすい点

廃棄による損失の確認と、保有する在庫の評価額を下げる判断は分けます。国税庁の法人税基本通達では、著しい陳腐化や破損等の例を示す一方、単なる物価変動や過剰生産等による時価低下は、評価損を計上できる事実に該当しないとしています。売れ残ったという説明だけで、任意に評価額をゼロにすることは避けます。

参考:国税庁:棚卸資産の評価損(2026年10月28日確認)

経理へ渡す資料では、廃棄数量だけでなく、対象在庫の帳簿価額、過去の評価減の有無、実施日と確認資料を整理します。使用する勘定科目や税務上の取扱いは、会計方針と実態に沿って確認します。商品を処分すれば仕入代金が戻るわけではなく、節税だけを目的に廃棄を判断しないことが大切です。

消費税については、国税庁は資産の廃棄そのものを課税対象とならない例として挙げています。一方、処理業者への支払いは廃棄した在庫の価値とは別の取引です。在庫の減額と処分費用を一つの金額へまとめず、それぞれの内容を確認します。

参考:国税庁:不課税の具体例(2026年10月28日確認)

廃棄物の処理を委託するときの注意点

廃棄する物の種類と発生した業務によって、確認すべき処理方法が異なります。事業で出たごみをすべて同じ区分とせず、自治体や処理業者へ対象品目を具体的に伝えて確認します。

産業廃棄物の処理を委託する場合は、対象を処理できる許可や委託基準、契約、マニフェストなどを確認します。委託先に任せれば排出事業者の責任がなくなるわけではありません。処理完了の確認まで担当を決めます。

参考:船橋市:産業廃棄物委託処理チェックシート(2026年10月28日確認)

在庫廃棄を減らす改善方法

廃棄理由を期限切れ、破損、品質変化、仕様変更などに分け、商品・拠点別に確認します。合計数量だけでは、仕入れ過多なのか、保管中の扱いなのか、販売停止情報の伝達漏れなのかが分かりません。

期限切れが多いなら期限の見える化と出荷順、破損が多いなら保管場所や荷扱い、過剰在庫が続くなら発注条件を見直します。適正在庫の決め方や在庫回転率も使い、廃棄した分を販売による減少として次の仕入れへ反映しないようにします。

在庫廃棄の記録・管理におすすめの業務システム5選

キャムマックスを先頭に、在庫廃棄の記録・管理に関連する業務を扱う製品を紹介します。掲載順は性能や価格の順位ではありません。各製品の対応範囲やプランを比較し、自社に必要な構成を選んでください。

ERP

キャムマックス

初期費用:100,000円

月額費用:90,000円~

税抜。初回1ライセンス・5アカウント。生産管理・外部連携等は別料金。

在庫廃棄の記録・管理におすすめの業務システム5選

キャムマックスは、販売・購買・在庫・倉庫・会計を一元管理するクラウドERPです。現物の在庫記録だけでなく、受注・仕入・請求まで同じデータでつなぎたい企業に向きます。

比較のポイント:初回1ライセンス・5アカウント。生産管理・外部連携等は別料金。

出典:キャムマックス 公式情報(2026年10月29日確認)

OMS+WMS

LOGILESS(ロジレス)

初期費用:0円

月額費用:20,000円~

税抜。EC事業者向けライト。1倉庫・月300出荷まで。超過・オプション別。

在庫廃棄の記録・管理におすすめの業務システム5選

LOGILESSは、ECの受注管理(OMS)と倉庫管理(WMS)を一体化したクラウドサービスです。受注処理から出荷指示までをつなぎ、在庫・ロケーションを管理し、倉庫の対応条件に応じてロット・期限を記録します。期限超過だけでは通常、自動的に引当対象から外れないため、出荷制御の設定を確認します。料金は基本料金と出荷件数に応じた従量料金で決まります。

比較のポイント:EC事業者向けライト。1倉庫・月300出荷まで。超過・オプション別。

出典:LOGILESS(ロジレス) 公式情報(2026年10月29日確認)

在庫管理

zaico

初期費用:個別見積

月額費用:0円/有料8,980円~

税抜。無料は人数・機能制限あり。有料スターターはフル3名・閲覧10名。

在庫廃棄の記録・管理におすすめの業務システム5選

zaicoは、スマートフォンとパソコンで在庫数・入出庫・棚卸を管理するクラウドサービスです。無料プランのほか、スターターは月額8,980円、ベーシックは月額49,800円(税抜)。ロット・期限管理や複数拠点管理はプランで異なります。

比較のポイント:無料は人数・機能制限あり。有料スターターはフル3名・閲覧10名。

出典:zaico 公式情報(2026年10月29日確認)

販売・在庫管理

アラジンオフィス

初期費用:個別見積

月額費用:個別見積

業種別機能、導入形態、人数、カスタマイズ、保守で変動。

在庫廃棄の記録・管理におすすめの業務システム5選

アラジンオフィスは、販売・購買・在庫を中心に企業の取引業務を管理するパッケージシステムです。業種別の機能やカスタマイズに対応。出荷指示・ロット管理・会計連携などはオプションを含めて構成を選びます。

比較のポイント:業種別機能、導入形態、人数、カスタマイズ、保守で変動。

出典:アラジンオフィス 公式情報(2026年10月23日確認)

WMS

クラウドトーマス

初期費用:個別見積

月額費用:個別見積

製品構成、端末、倉庫、連携、個別開発・導入支援を含めて見積もり。

在庫廃棄の記録・管理におすすめの業務システム5選

クラウドトーマスは、物流現場の入出荷・在庫・棚卸を管理するWMSです。保管場所やバーコードを使って作業を記録し、OMS・基幹システムとCSV/APIで連携。現行の製品構成では、クラウドトーマスProなどから業務規模と必要な個別対応に合わせて選びます。

比較のポイント:製品構成、端末、倉庫、連携、個別開発・導入支援を含めて見積もり。

出典:クラウドトーマス 公式情報(2026年10月23日確認)

まとめ

在庫廃棄は、不要になった商品を捨てるだけでなく、対象の特定から承認、適切な処分、在庫・経理への記録までをつなぐ業務です。廃棄前の品は通常在庫から分け、処分した数量と証拠を照合します。評価損や棚卸差異と混同せず、理由別の記録から仕入れ量、出荷順、保管方法の改善につなげましょう。