在庫移動とは?

在庫移動とは、同じ商品を倉庫・店舗・保管場所の間で移すことです。拠点間の補充や倉庫内の棚替えなどが該当します。商品を運ぶ作業に加えて、移動元・移動先・数量・日時を記録し、現物と在庫データを一致させることが必要です。

在庫移動の流れ。移動元倉庫で出庫を記録し、輸送中として管理した後、移動先倉庫で実物を確認して入庫する。同じ移動番号で両端の記録をつなぎ、二重計上を防ぐ。
倉庫間移動では、出庫した時点と受領した時点を分けて管理します。

在庫移動をしただけで、全社の在庫が減るわけではありません。また、システムの記録を自動化しても、ピッキング・運搬・検品などの現場作業がすべて不要になるわけではありません。

倉庫間移動と倉庫内移動を分ける

種類例確認すること
倉庫・店舗間中央倉庫から店舗へ補充出荷、輸送中、受領の状態と配送時間
倉庫内保管棚からピッキング棚へ補充移動元・移動先のロケーション、棚の容量
状態の変更検品待ちから販売可能へ変更場所の移動とは別に、販売可能かどうかを管理

返品品や検品待ちの在庫は、同じ場所にあってもすぐ販売できるとは限りません。「どこにあるか」と「使える状態か」を別の項目にすると、引当や出荷の誤りを防ぎやすくなります。

在庫移動の基本手順

  1. 移動を計画:移動先の需要、現在庫、入荷予定、移動元の引当済み数量を確認する。
  2. 移動指示を作成:商品、数量、単位、移動元・先、予定日を決め、移動番号を付ける。
  3. 出庫を記録:商品・ロット・数量を照合し、実際に発送した数量を記録する。
  4. 輸送中を管理:出庫済みで未受領の数量を追跡し、到着前の在庫と受領済み在庫を区別する。
  5. 受領・照合:実物と伝票を確認し、受領数量、破損、不足を記録する。
  6. 差異を解消:分納、誤出荷、記録漏れを調べ、承認のうえ訂正して移動を完了する。

出典:Shopify:在庫転送の作成と処理、在庫転送の受領と管理(2026年10月23日確認)。操作や在庫更新のタイミングは製品により異なります。

輸送中の在庫を二重計上しない

例えば倉庫Aに100個、倉庫Bに20個あり、AからBへ10個送るケースを考えます。破損・紛失や所有権変更がない自社拠点間移動の管理例では、全体の120個は移動しても変わりません。

時点A倉庫輸送中B倉庫合計
出庫前100020120
出庫後・受領前901020120
10個を受領後90030120

これは数量管理を説明する架空例です。会計上の評価や所有権の扱いを示すものではありません。実際の製品では、輸送中・入荷予定・引当可能数などの定義を確認してください。到着前の10個をB倉庫の受領済み在庫にも加えると二重計上になります。

参考:Infor LN 2025:輸送中のストックポイント詳細

在庫移動の記録に必要な項目

  • 移動番号と指示・出庫・受領の日時
  • 商品コード、品名、数量、単位
  • 移動元と移動先の倉庫・店舗・棚
  • 必要に応じたロット、期限、シリアル番号
  • 指示数、出庫数、受領数、差異の理由
  • 担当者、承認者、訂正履歴

ケースと個数の混在に注意します。1ケース12個などの換算ルールを決め、指示と受領の単位をそろえます。バーコードを使う場合も、どの商品・荷姿・ロットを識別するコードかを確認します。

移動コストと欠品リスクを一緒に見る

拠点へ分散すれば必ず物流費が下がる、移動回数を減らせば必ず効率が上がるとは限りません。配送・荷役・検品の費用と、補充が遅れた場合の欠品を比較します。移動元で必要な在庫まで送らないよう、受注残や引当も確認します。

補充頻度を決めるときは、移動先の消費量、輸送時間、荷姿、保管容量をそろえて見ます。商品ごとの管理の優先順位はABC分析の計算例と注意点も参考になりますが、金額が小さい部品でも欠品の影響が大きい場合は別途重点管理します。

在庫管理システムで確認する機能

候補製品のデモでは、単純な全量移動だけでなく、一部出庫、一部受領、破損、キャンセル、返品も試します。出庫済みのまま残る移動を一覧で追えるか、両拠点の担当者が同じ番号を確認できるかがポイントです。

販売・購買・在庫・会計をまとめる場合はキャムマックスなどのERP、倉庫内の作業管理を重視する場合はWMSも比較対象です。在庫管理に使える10製品の比較で用途を分け、移動機能の具体的な範囲と追加費用を公式資料・デモで確認してください。

自動化できるのは、指示データの作成、コード照合、記録連携などの一部です。商品の搬送自体を自動化するには、別途設備や現場設計が必要な場合があります。

参考:Microsoft Learn:倉庫アプリから移動オーダーを作成する(2026年5月更新)

まとめ

在庫移動では、商品を運ぶだけでなく、出庫・輸送中・受領の記録をつなぐことが重要です。同じ移動番号で数量と差異を照合し、場所と在庫状態を分けて管理しましょう。移動コストと欠品リスクを比較し、自社に必要な機能を実際の例外処理で確認すると運用を改善しやすくなります。