会計システムとは
会計システムとは、ひとつひとつに区分化されていた会計作業を連動させ、データを一元化することによって、業務を効率良く回せるようにしたシステムです。
従来は、伝票を作成して帳簿に転記し、試算表を作成。作成した書類から、決算書の作成や経営分析、管理など、作業は分かれていましたが、システム化することで、帳票などの作成作業、帳票の連携などを行えるようになります。
会計システム導入のメリット
会計システムは、会計業務の効率化をはじめとする経理業務全般の効率化を目的としたものです。このシステムを導入するメリットとしては、以下のようなものがあります。
業務の効率が上がる
会計システムには、データを入力すると帳票やグラフを自動的に作成する「自動作成」などの機能があり、作業を効率化することができます。これにより、書類を一つ一つ作成する必要がなくなり、大幅な時間短縮が可能になります。
新しい制度が出来ても対応が出来る
会計システムは、財務会計などの、現行制度に沿った会計処理を行うことができます。2023年10月からはじまるインボイス制度なども対応が可能となります。
会計システムの種類
会計システムは一般的に「財務会計システム」「管理会計システム」「債権・債務管理システム」の3つに分けられます。機能的に重複している場合もありますが、それぞれ明確な役割、目的をもっています。
財務会計システム
財務会計とは、外部のステークホルダーに向けて、企業に関する計算書などの財務情報を作成、提出するものです。財務会計では、どの企業でも統一された財務諸表を使用し、財務諸表を作成するための適切な会計処理を実施することが求められます。
財務会計システムとは、言い換えれば、財務会計の目的を達成するための機能を備えた会計システムのことで、伝票入力、元帳作成、財務諸表作成などの機能を備えたシステムのことを指します。
管理会計システム
管理会計とは、企業の取締役や管理職が会社の財務について十分な判断を下せるように情報を提供する会計のことを指します。つまり、管理会計システムとは、企業の経営者が経営状況を適切にチェックするためのシステムで、会計情報の把握と活用は経営にも関わるため、導入されている企業が多くなっています。
債務・支払管理システム
債務・支払管理システムとは、支払手形や買掛金などの債務を得意先ごとに分け、支払いが滞りなく行われているかどうかを管理するシステムのことです。財務会計システムや管理会計システムでは、債務の総額は確認できても、支払期日など得意先ごとの詳細は基本的に見ることができません。そのため、取引先が多く複雑で、経理以外の部門が関与する可能性のある債務については、詳細を管理できる債務・支払管理システムが必要になります。
会計システムの主な機能
それでは会計システムに一般的に搭載されている機能について紹介します。
自動仕訳・データ入力補助
売上や経費などの仕訳やデータ入力を自動化できます。経費入力の手間を省けるので入力漏れや転記ミスを減らすことが出来ます。
帳簿作成
伝票を作成した後、紙ベースの処理の場合、関連する元帳に仕訳を転記する必要があります。しかし、会計ソフト場合は、伝票の入力と元帳の作成を連動させているため、伝票の入力により総勘定元帳や現金出納帳など必要な元帳を自動的に作成されます。
入金管理
請求書と連動して売掛金に加算する機能、売掛金の回収を消去する機能、回収予定や遅延を確認する機能、売掛金を報告書で確認する機能などがあり債権管理をすることに役立ちます。
支払管理
支払管理は、買掛金などの支払を管理する機能です。請求書と連動して買掛金に追加、請求書から仕訳を作成、支払い予定日の確認、支払いに必要な振込データの作成などが出来ます。取引先との支払いを問題なく行うために、最も重要な機能の一つです。
資金管理
収入が多くても支払いが先行している場合など、企業の収益と費用が実際のお金の出入りと一致しないことがあります。財務諸表上では繁栄しているように見えても、収入と支出、入出金のタイミングが一致しないと、キャッシュフローに影響が出てしまいます。キャッシュフローは決算書上ではすぐにわからないため、指揮官管理機能で常にキャッシュフローを確認ができ、資金繰りをサポートしてくれます。
予実管理
予実管理とは、予算や実行結果を管理するための機能です。例えば、売上目標を設定し、その目標に対してどの程度達成できたかを測定するなど、企業の経営成果(収益)と努力(費用)を測定するのに有効です。金融機関に事業計画を提示することで、金融機関からの資金調達に役立てることも出来ます。
決算書作成
貸借対照表と損益計算書という重要な財務諸表を作成する機能があります。財務諸表に数字が含まれる部分の多くは、各勘定科目から自動的に集計され、さらには財務諸表に自動的に入力されます。財務諸表は、企業会計においてステークホルダーへの情報開示や金融機関からの資金調達、社内の経営分析などに用いられる重要な資料です。自動入力機能により、財務諸表を簡単に作成し、必要な時に出力することができます。
固定資産管理
固定資産管理とは、減価償却の自動計算や仕訳など、固定資産を会計処理と連動させて管理する機能です。固定資産管理機能により、固定資産台帳も作成することができます。
中小企業の業務効率化を応援 無料の財務会計システム5選
会計システムを決定する際には、会社の規模や業種、予算、経理部門のメンバーの知識や経験などを十分に考慮した上で、決定する必要があります。税法や会計基準が変わるたびに顧問税理士に相談するか、手間をかけずに更新できるクラウド型システムを利用するかなど、業務量などとの兼ね合いで決めるとよいでしょう。
ここで紹介する財務会計システムは、いずれも、使用料は「永久無料」。どれも有料システムと変わらない機能を持っているので、ぜひチェックしてみてください。
少しユニークなオープンソース型財務会計システム RUCARO
「RUCARO」は、RUCARO株式会社代表の武富氏が一人で開発した、サーバーインストール型の財務会計システムです。
サーバーインストール型とは、ユーザーが自前で用意したサーバーにソフトをインストールする形式をいいます。サーバーの導入費用がかかりますが、ログインIDが第三者に知られないというメリットを持ちます
インストールマニュアルが完備されており、問い合わせやサポートは、ナレッジコミュニティという掲示板で行われます。
ユーザー登録数無制限で、永久無料。銀行明細の自動取り込み機能や、減価償却費の自動計上機能も備えています。
サーバーへのインストールが必要なため、ITに詳しい社員がいることが条件になりますが、機能的に充実しているので、体制が整っている中小企業でしたら試す価値アリかと思います。
無料の製品では対応出来ない場合
今回はあくまでも無料で使える会計ソフトというテーマでしたが、やはり無料版では機能た使い方に限界がある。という場合があります。
そのような場合は価格が安い、コスパが良いクラウドERPなどのシステムを導入する方法をお勧めいたします。
クラウドERP キャムマックス
キャムマックスはご存じの通りクラウドERPとして有名なシステムになります。実はキャムマックスは財務会計機能が大変優れているERPでもあります。
会計機能以外にも、在庫管理、販売管理なども利用できることもあって、基幹システムとしてキャムマックスをご利用されるユーザー層が多く、低価格で持てることから中小企業から多くの支持を集めているシステムです。