諸掛とは?
諸掛(しょがかり)は、商品の仕入れや販売に付随して発生する費用の総称です。商品そのものの代金とは別にかかる運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料などが代表例です。「送料だけ」と考えず、どの取引のために、誰が負担した費用かを確認します。
例えば商品を100,000円で購入し、引取運賃6,000円と運送保険料2,000円を自社が負担した場合、これらを取得原価に含めると108,000円になります。ここでは消費税を省略し、仕入れに直接かかる費用だけを扱っています。

出典:ASBJ:棚卸資産の評価に関する会計基準(6-2項)(2026年10月26日確認)
仕入諸掛と売上諸掛の違い
| 区分 | 発生する場面 | 確認すること |
|---|---|---|
| 仕入諸掛 | 商品を購入して引き取る | 商品の取得原価に含める費用か |
| 売上諸掛 | 商品を販売・発送する | 自社負担の販売費か、相手のために立て替えた費用か |
同じ「運賃」という名称でも、仕入先から自社へ商品を引き取る運賃と、販売先へ発送する運賃では取引の目的が違います。請求書の費目だけで自動的に同じ処理にせず、仕入・販売の伝票や契約条件と対応付けて確認してください。
相手が負担する運賃を一時的に支払った場合は、自社の費用と区別して精算内容を確認します。運賃を販売価格に含めている場合などもあるため、「送料の入金があるからすべて立替金」と決めつけないことが大切です。
仕入諸掛を取得原価に含める理由
商品代金だけで原価を管理すると、輸送や引取りに費用がかかる商品の原価を小さく見積もることになります。仕入れに付随する費用を適切に加えることで、商品が売れたときの原価や、残っている商品の金額を把握しやすくなります。
国税庁の確認表でも、購入した棚卸資産の取得価額には引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税などを含めるとされています。一部の間接費について設けられた少額の取扱いを、すべての諸掛に適用できるルールと読み替えないでください。具体的な処理は費用の性質と適用する会計・税務のルールを確認します。
出典:国税庁:大規模法人における税務上の要注意項目確認表・棚卸資産(2026年10月26日確認)
諸掛の配賦方法と計算例
複数の商品をまとめて仕入れ、共通の運賃などが発生した場合は、各商品へ費用を割り当てます。これを配賦といいます。まず個別の商品に直接ひも付く費用を分け、共通費だけを合理的な基準で配賦します。
商品Aが60,000円、商品Bが40,000円、共通の諸掛が8,000円なら、商品代金の比率で配賦する例は次のとおりです。

| 商品 | 配賦額の計算 | 諸掛を含めた金額 |
|---|---|---|
| A | 8,000円×60,000円÷100,000円=4,800円 | 64,800円 |
| B | 8,000円×40,000円÷100,000円=3,200円 | 43,200円 |
配賦額の合計は8,000円、諸掛込みの合計は108,000円です。これは金額比による説明例で、常に金額比が最適という意味ではありません。重量に応じて請求される運賃なら重量、容積に応じるなら容積など、費用の発生理由に合う基準を検討します。端数をどの商品へ付けるかも決め、配賦前後の合計を一致させます。
諸掛を管理するときの実務上の注意点
商品が先に入荷し、運送会社などの請求が後から届く場合があります。商品だけを登録して終わりにせず、未確定の諸掛を確認する担当者と、確定後の反映方法を決めておきます。見積額と確定額を混ぜないように記録し、締め処理後の修正も経理と連携してください。
- 仕入・入荷・請求の番号を結び付け、同じ費用の二重登録を防ぐ。
- 自社負担と取引先負担、直接費と共通費を分ける。
- 配賦基準、計算結果、端数処理を保存する。
- 返品や値引き、請求の訂正があった場合の再計算手順を決める。
システムを選ぶ際は、諸掛を入力できるだけでなく、入荷後の追加、複数商品への配賦、原価への反映、取消・訂正の履歴を実際の伝票で確認します。輸入取引では通貨や換算条件も加わるため、国内取引と同じ入力例だけで判断しないようにします。候補探しにはクラウドERPの料金・対応業務の比較も参考になります。
諸掛を含む仕入・会計データの管理におすすめの業務システム5選
キャムマックスを先頭に、諸掛を含む仕入・会計データの管理に関連する業務を扱う製品を紹介します。掲載順は性能や価格の順位ではありません。各製品の対応範囲やプランを比較し、自社に必要な構成を選んでください。
キャムマックス
初期費用:100,000円
月額費用:90,000円~
初回1ライセンス・5アカウント。生産管理・外部連携等は別料金。
キャムマックスは、販売・購買・在庫・倉庫・会計を一元管理するクラウドERPです。現物の在庫記録だけでなく、受注・仕入・請求まで同じデータでつなぎたい企業に向きます。
比較のポイント:初回1ライセンス・5アカウント。生産管理・外部連携等は別料金。
出典:キャムマックス 公式情報(2026年10月23日確認)
AirAdmin8
少人数で販売・仕入・在庫をまとめたい企業に
初期費用:個別見積
月額費用:30,000円~/5ID
スモールプランの公式表示額。6ID以降は3,000円/ID。税区分・初期費用は問い合わせが必要。
販売・仕入・入出荷・商品在庫などを扱うクラウドERPです。5IDから利用するスモールプランがあり、少人数で業務情報をまとめたい企業の候補になります。
- 主な機能
- 販売管理/仕入管理/入出荷管理/商品在庫管理
出典:AirAdmin8 公式料金・製品情報(2026年10月26日確認)
スマイルワークス
必要な業務から段階的に始めたい企業に
初期費用:0円
月額費用:5,000円~
税抜・販売ERPプラン。標準プランは初期30,000円、月額10,000円~。各オプション別途。
売上・請求・入金から始め、必要に応じて機能を追加できるクラウドERPです。利用する業務を絞って導入し、仕入・在庫・会計などへ範囲を広げたい企業に向いています。
- 主な機能
- 売上管理/請求管理/入金管理/追加機能はプランによる
出典:スマイルワークス 公式料金・製品情報(2026年10月26日確認)
GEN TRADING
商社・卸の取引と在庫をまとめたい企業に
初期費用:個別見積
月額費用:43,125円(5アカウントの例)
税抜。基本20,000円+3,500円×人数に標準サポート15%を加算。初期費用は公開金額なし。
出典:GEN TRADING 公式料金・製品情報(2026年10月26日確認)
Reforma PSA
案件ごとの原価と利益を管理したい企業に
初期費用:0円
月額費用:30,000円~
税抜。利用する機能と人数で変動。最低利用料金は30,000円。
広告・制作などの案件別に、売上・外注費・作業時間をまとめるクラウドERPです。案件ごとの採算を把握し、営業と制作・経理の情報をつなぎたい企業に向いています。
- 主な機能
- 販売/購買/勤怠・工数/経費(契約機能による)
出典:Reforma PSA 公式料金・製品情報(2026年10月26日確認)
まとめ
諸掛は、商品代金のほかにかかる取引関連の費用です。まず仕入・販売のどちらで発生したか、自社と相手のどちらが負担するかを分けます。仕入諸掛を商品別に把握したい企業は、請求と入荷のひも付け、合理的な配賦、確定後の修正まで整えることが大切です。



